14日

ガンだとわかった今、朝から子供に接しられるか心配したがなんとかこなしたようだ。お腹が重そうな様子をしている。子供は二人ともバレエで、昼前には出発。真緒は午後一番で終了。二人で迎えに行く。その後ジャスコに買い物に行くが、ここでも大雨に遭い、足止めを食らう。変な天気が続き、気が重い。からっと晴れてくれないかなー。

買い物ジャスコ→すごく疲れる。痛みが少し続く。ネル・・・みんなでごはんは×でした。ザンネン

15日 

朝一番に病院へ送り、学校へ行く。合宿の出発に間に合った。「先生、このまま乗って行きいな。」胸が痛い。できればそうしたいと思う。楽しんで来いよ。

学校で少し仕事をして、病院へ。検査は昼からとのこと。一緒に昼ご飯を食べて、待つ。婦人科に呼ばれて一階に降りる。検査はすぐに終わるが、腹水は取れず、卵巣は腫れていない。ちょっと安心。

先生が来られて、告知をしたことを知らせる。エコーで見ると下腹部に影があるとのこと。ちょっと気になる。

8:30病院へ。M先生と朝お話しする。婦人科検査(内診エコー)

水は取らず。少なすぎて危険。卵巣もそんなに腫れていないそうです。

16日 

朝から学校へ行く。家にいてても寂しいだけだ。フェーズ2にコメントを書き込む。授業をしないので少し気が紛れる程度。HR合宿はうまくいっているのだろうか。弁当を持って病院に。昨晩胃が痛くなり、痛み止めの注射を打った模様。それでも痛みが収まらず、座薬をした由。しんどそうな様子を見ていると絶望的な気持ちになってくる。やはりダメなのか。

真依がバレエの日。家でブタの生姜焼きを作ることにする。料理は大変だ。真依はえらい。夜痛み止らず。9:00すぎレントゲン→痛み止め注射

17日 

朝から胃カメラを飲んだ由。その際に胃の残留物を吸い取ってもらったと言うことで、ちょっとしんどそうだったが、昨日よりはましだ。何も食べられず、体力が落ちることの方が心配。小笠お見舞い。真依も初めて病院へ行く。遠回りで行った様子。昨日道はわかっているというので、何も言わなかったがやっぱりちゃんと言ってやるべきだった。

夜、ある生徒の母親から電話。W先生が合宿で骨折されたとのこと。ハイキングでその生徒が腹痛のため、付き添って降りている時の出来事だそうだ。心配がまた一つ増えた。

朝バリウムの検査→胃がぜんぜん通ってないみたい。一日だるい。ごはんぜんぜん食べられず。夜ゲリ。

18日 

天気も良くなって気分の良い朝。今日は代休なのでゆっくりめに出勤。土日が雨模様なので、気分転換に東福寺へ行く気になる。W先生の病状が気になるが、やはり全治2ヶ月の重傷。明日手術とのこと。色々問題もあったようだ。5−Rの授業を終え、病院へ。東山通りでカメラ屋があったので使い捨てカメラを買う。結構高い(1200円也)。食堂にて食事中にM先生がいらっしゃった。ちょうど良いので外出を申し出る。ちょっと躊躇されたようだがOKが取れた。午前中、胃カメラを飲んだ由。のどは例によって痛そうだが、胃に溜まっていた食物を取ってもらったそうで顔色はよい。着替えを待って東福寺へ行く。その姿を見ているとどこが病人だかわからない。桜や紅葉のシーズンと打って変わって東福寺は閑散としている。緑の時期も綺麗なのに。庭を見たりしばし散策。このまま時が止まってくれたらなー。ぽかぽかと暖かく、でも適当に風があり、5月らしい良い天気だ。焼き物の店が喫茶店になっていてそこでグリーンティを飲む。今日は幸せな時間が持てた。いつまで、この時が続くのか。

胃カメラ検査すごくつらかった!のどいたい!!Hiroがお昼来れるのは今日まで・・・お昼すぎHiroお昼食べて散歩へつれていってくれる。M先生も快くOKにしてくれました。東福寺へ。アイス食べる。おいしかった。

19日 

また、不安定な天気に逆戻り。気持ちがめいる。今日、先生が集まって治療方針を検討する。結果は夜遅くなるので、聞くのは明日でいいだろう。週末はまた、帰宅できる。今度は少しゆっくりさせてやろう。生徒とも3日ぶりの対面だ。なかなか楽しかった様子でほっとする。しかし、結構問題も多かったようで、先生方に迷惑をかけた。特にハイキングでの事故や夜の対処の仕方など、どれだけのことができたかわからないが行っていれば少しは違ったのでは、と悔やまれる。ひょっとしたら、生徒たちも担任がいないことで、少しゆるんでしまったか。自分の授業がないのでクラスではあまり話ができなかった。終礼でチャコの手紙を貼り出す。全員見てくれるだろうか。夕方、病院へ寄り、京花に帰る。今日の話の結果は電話を入れてくれることにした。食事が終わる頃、電話で呼び出し。一緒に話をする方が良いとのこと。急いで病院へ向かう。イヤな予感がする。やはりダメなのか。T、M両先生が待っておられた。別室で話を聞く。転移についてはやはりはっきりしないとのこと。子宮の上部に見える影が何かを特定するために、腹水の検査、MRIでの確認を試みるとのこと。その影がガンである確率は五分五分であること。患者の前だからそう言われてのか、本当にそうかは定かではないが、可能性は残されている。確認ができなくても、一度お腹を開いて直に状況を見ることも考えているとのこと。その時点で一度縫い合わせてしまうか、その状況によって胃を切除、あるいはバイパス手術などを行うことも検討している由。一応、6月1日手術の予定で進めるということだった。とりあえず、最悪の事態は先送りされた。最終的には、お腹を開けてみないとわからないのだから、こればっかりは仕方がない。その後、二人で話をしたが、弱気になっているのか泣き出してしまった。僕は希望がなくなっていないのだから、冷静に受けとめられたが、無理もない。一緒に過ごす時間が少ないが、夜一人になったら本当に怖くて、切なくてどれだけ泣いていることだろうかと思ってしまう。とにかく、まだわからないのだから、希望を持ってアガリクスが効くと信じて飲むように言う。明日は家に帰れるのだから。

血液検査。オフロ→洗たく。おぴぴ――全部話す。7:00玉置Drとお話。手術の方向へ。長くつらい入院になりそう。手術6/1

20日 

家に帰る。バレエに付いて行き、その後食事へ。久美子と共にシーホースに行く。少しずつだが食べている様子。家に帰って風呂にはいるが、10時頃から痛みだす。どうにも痛みが取れず、11時に病院へ戻る。こんなことで本当に大丈夫だろうか。

10:00ごろ帰る。まおの夏服整理。バレエ→レッスン中買い物。まおの服、本。夜シーホースへ。クミちゃんも。食事後痛みが。夜中12:00ごろ病院へもどる・・・せっかくなのにくやしい...。

21日 

昼から見舞い。ちょっと落ち着いた様子。やはり食べるとダメな模様。

痛くてずっーとねれない...。いたみ止め2回。一日ダルイ・・・ネムイ。朝昼抜く。2:00すぎHiroまいまお。

22日 

もうタイムリミットか。6月4日の法事のことやヨーロッパ旅行などもあり、いつまでも黙っているわけには行かなくなった。真依と真緒を家に連れ帰り、財布を忘れたと言って実家に戻り、母親と久美子に本当のことを言う。母親は「なんやそれ」を繰り返し、泣く。割りと冷静でいられたのは可能性があるからか。

検査:血液・肺・心電図・動脈血液。ごはん少し。夕食×。腹部エコー(病室で)T先生、M先生、水はない様子。はっきり言ってわからん状態。

23日 

腸の検査エコー、バリウム。MRI3つのこすのみ。いい方向になる様願うのみ。首より栄養剤入れる事に(木曜日)ごはんはムリしなくていいよ!と言われて少し気がラク。

24日 

万全を期すため、腸の血管造影を行うので手術を一週間延ばすとのこと。何か拍子抜けの感。まあ、何もないことがわかるのなら、それが一番だけど。

MRI3:00すぎ。日向さんおみまい。パジャマいただく。西川さんと二人で。夕方Hiro今日はとても暑い。カスミさん退院いろいろいただく。

25日 

気持ちが切り替えられない。この10日間は長すぎる。不安が一杯なままで苦しい。本当に痩せてしまった。食べられないのだから、無理もない。胸がまったくなくなってしまったのはショックだ。検査をするたびにつらそうだ。早く手術をしてほしい。

エコー。うーん?何ともいえないらしい!?←いいことなのかな。エニマクリン食なんだこりゃ?!首より栄養剤入れる。(PM9:00スタート「ごはん」です)チューブを入れる、少し痛い。首がまわらない気がする。8:00PM下剤くるしい

26日 

バリウム。腸にバリウム入れてレントゲン。台の上でころころ。朝ヌキ。一応手術は決まり!!外科の診療。おひるHiroちょうど気分悪くなる。しばらくネル。とってもつかれた!おみまい、もがだに(おばちゃん)、じい・ばあ。おフロ入ってへたってた時におみまい。そのあとはむかつき止め注射。夜中もう一回うってもらう。ちょっと心配かけたみたい。

27日 

週末だけど帰れない。寂しそう。Hiro玉置Drより話。

28日 

まい、まお、ちっち。ゆふちゃんおみまい。下剤かけたので、あとくるしい。気持ち悪い.....

29日 

食欲なし。Hiro2:00〜3:00すぎまで

30日 

血管造影の検査はそう大変ではなさそう。

朝から体がだるいもっていきようがないくらいしんどい。朝、昼×、夕はほんの少し。Hiro3:00〜4:00すぎまでいてくれる

31日 

急に手術日が月曜日になる。早くなるのが良いのか悪いのか。ころころ変わるとなかなか気持ちの整理ができない。いざとなると結果を知るのが恐ろしい。良い結果が出ますように。

朝からボケッーとする。昨日より気分はずい分楽。

6月1日 

栄養を点滴で入れてもらう。これで全然食べなくても生きていけるとのこと。雅子は点滴をご飯と呼ぶ。

1:00より検査4:00ごろまでかかる。夕食Hiroに食べさせてもらう。明日付けで外科に移る。手術は5日の月曜日に決定。予定より早くなる。とっとと悪いもんとってくれってカンジ!!

 2日 

夕方に病院に行く。今晩手術の内容を説明するとのこと。一旦帰り、食事をして、7時半に病院へ行く。外科の三人のドクターと話をする。基本的には胃の下部3分の2を切除する由。胃は一度縫い合わせ側部を十二指腸辺りとくっつけるようである。手術後の経過について質問したが、答えてもらえなかった。開腹の状況でまったく違うのだから、無理もないか。雅子に知れない方が良いような印象を持つ。悪いことでなければ良いが。今日より絶食(水分OK)胃の洗浄する。チョーいたいぞ!!外科の先生よりお話し説明。一応とれる部分は全部とるという方向に。他に散ってないことをいのるだけ。

 3日 

特に検査なく、お腹すいた感が少しあり

 4日 

鼻から胃まで管を入れる。胃液を出すためだそうだが、ものすごく苦しそう。何とかならないか。

まお参観→見たかったナー。オフロ。鼻にチューブ←痛い、苦しい(字が乱れている)

 5日 

いよいよ手術。朝8時過ぎに病院に着く。少し管に慣れたのか、昨日よりはしんどくなさそう。注射をして少し、意識が朦朧とする。もうすぐ運命の瞬間。9時過ぎに呼ばれ、手術室まで付いていく。どうか、転移していませんように。病室に戻ると手紙に気付いた。感謝と不安とが入り交じる手紙。涙がどんどん溢れてくる。手術終了予定は午後2時頃。「他力」を読んで時間を過ごす。静かにしっかりと読むことで待ち時間も苦にならない。途中グリーンで食事をする。外に出ている間に何かあったらと気になったが、どうすることもできない自分だからとりあえず急いで食べる。病院へ戻り、2時間ほど。予定通りの2時頃に呼び出された。あまりにも順調すぎる時間に少し嫌な気もする。鼓動が高鳴る。手術室に入ると右手の説明室に通される。何故か自動販売機があり、その奥にはガラス戸。向こうに手術室が見える。程なく、三人のドクターが現れる。どうも摘出した胃を洗浄している様子。しばらくするとガラス戸が開いた。まずはその胃の説明。普通は非常に薄い胃壁が、ガンのために五,六倍分厚くなっていた。「残念ながら膵臓に少し、腹腔にパラパラとガンが出てしまっています。今年一杯はもたないでしょう。」血の気が引く。涙が滲む。「今麻酔をさましていますので、20分ほどで病室に戻ります」何と言うことか。半分は予想していたことだけれど、ついに望みも絶たれた。

ほどなく、病室に戻るが、とても痛がっている。麻酔がきれたのか、かなり辛そうだ。こんな状態ではとてもじゃないが、本当のことは言えない。すぐぐらいに母が真緒と共に来る。「どうやった」ただ、首を横に振る。涙がこみ上げる。園田先生が直後に顔を見せる。「痛いか。今痛み止め入れるしな」「先生どうだったんですか」と母。廊下に出て説明を聞いていた。「もう、後は苦しまんといけたらやな」そう言って、先に帰る。真緒は呆然としていた。ママのしんどい様子はショックだったようだ。少し痛みがおさまったところで訊かれた「どうなったの」「うん」「胃はとれた?」「3分の2取った」「他にはとんでなかった?」「大丈夫」それが精一杯。

手術9:00〜。予定通り終了。8:00までついててくれる。