究極の選択

手 術
 ガン治療で最も手っ取り早いものはおそらくガンそのものを取り除くことでしょう。しかし、すべてが取り除けなければ、残りのガン細胞が爆発的な速さで増殖することもあるそうです。雅子の場合はスキルスということで胃だけで留まっているのなら取り除くことが有効であり、散らばっているのであれば、逆に取り除かずに、進行を抑える方法をとる方が有効であるという状態でした。そのためにガンがどれほど散らばっているかを調べるのに約1ヶ月を要し、結局わからないままに手術することとなりました。手術するしないについては、こちらが選択できるものではありませんでしたが、苦しんでる様子を見ていると取って少しでも楽になるなら手術してほしいという思いと散らばっていた時に爆発的に増殖する不安とで板ばさみ状態になっていました。
 ただ、あとで聞いた話ですが、入院直後に胃カメラを飲んだときには十二指腸までカメラが入っていたのが、10日ほどしての検査の時にはもう胃の奥のほうにカメラが入らなかったということを聞くと、かなりのスピードで胃がんが進行していたことがうかがえるので、手術したことは間違いではなかったと思っています。また、手術の難易度はわかりませんが、見事な手術で、雅子が見る見るうちに回復して食事も食べられるようになっていく姿を見ると感謝でいっぱいです。